Zabbix日本支社は4日、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の新版「同 4.2」をリリースしたと発表した。
Zabbixは、サーバー、ネットワーク機器、サービス・その他のITリソースを監視・追跡できるよう開発されたオープンソースの監視ソフトウェア。
今回発表されたZabbix 4.2では、新たにRaspberriPi、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)用の公式パッケージ、Dockerイメージが公開された。
また、同じデータを連続で受信した値を保存せずに、監視データをより効率よく保存できるよう、Zabbixプロキシ上で保存前処理を行えるようにする機能強化が行われた。大規模な環境でも、Zabbixサーバーに負荷をかけずに毎秒数百万の監視データを収集できるようになり、ミッションクリティカルな監視要件にも対応しやすくなったとのこと。
さらに実験的機能として、時系列データベースであるPostgreSQLのTimescaleDBにも対応した。大量の監視データを保存する場合に問題となりやすい、データベースの負荷を抑えられるので、データベースの複雑なチューニングや管理を行うことなく、効率よくデータを保存できるとしている。
加えて、Zabbix以外の監視ツールの連携として、クラウド監視ツール「Prometheus(プロメテウス)」のexporterに対応し、exporterから監視データの収集を行えるようになった。
このほか、テンプレートやホストレベルでタグを指定できるようにすることで、テンプレートを適用したホスト、もしくはホストのすべての障害に共通のタグ付けを行えるように機能を改善している。
なおZabbixでは、おおむね1年半ごとに安定版が提供され、5年間サポートが提供されるLTS(長期サポート: Long Term Support)と、6カ月ごとに安定版が提供されるポイントリリースという2つのリリース形態で提供されており、Zabbix 4.2はポイントリリースとなるため、サポート期間は次期メジャーバージョンのリリース後1カ月間までとなる。
関連リンク プレスリリース Zabbix 4.2の新機能(英語) Zabbix 4.2のダウンロード(英語)
関連記事
オープンソースの監視ツール「Zabbix 4.0」リリース、APIを利用したクラウド環境の監視データ収集などに対応
2018年10月3日
OSSの統合監視ツール「Zabbix 3.4」リリース、パフォーマンスやダッシュボードの利便性などを強化
2017年8月24日
OSSの監視ツール「Zabbix 3.2」リリース、ユーザビリティと安定性を強化
2016年9月14日
オープンソース統合監視ソフトを開発するZabbixが日本支社を設立
2012年10月4日
CTC、Red Hat Ansible AutomationとZabbixを利用したシステム監視の自動設定ソリューション
2019年6月20日
次世代エージェントに対応したOSS監視ソフト「Zabbix 4.4」、外部サービスとの連携も改善
2019年10月10日
ワイドテック、自社の運用自動化ツールとZabbixとの連携ソリューションを提供
2020年2月21日
OSS監視ツールのLTS版「Zabbix 5.0」リリース、さまざまなサービスとの連携機能を標準搭載
2020年5月13日
Zabbixを用いたWebサイトのレスポンス監視を支援――、アシストがサポートパッケージを提供
2020年5月28日
オープンソース監視ソフト「Zabbix 5.2」リリース、スクリプトを用いた柔軟な監視に対応
2020年10月29日
オープンソースの監視ツール「Zabbix 5.4」リリース、PDFレポート出力の搭載や障害検知の改善などを実施
2021年5月19日